はじめに
音楽配信プラットフォーム「サウンドオン」を使っている人なら、一度は経験があるかもしれない。自分のオリジナル楽曲をアップロードしたのに、突然「権利侵害」「異常な行為」などと警告され、最悪の場合BANされる事態だ。
しかし、これは本当にユーザー側の問題なのか?実際に検証を重ねた結果、浮かび上がってきたのは、バイトダンスが運営するサウンドオンのAIシステムの深刻な欠陥だった。
サウンドオンのAI判定システムの実態
サウンドオンは、バイトダンス(TikTokの親会社)が提供する音楽配信サービスだ。無料で使えるため、多くのクリエイターが宣伝目的で利用している。
しかし、このプラットフォームには重大な問題がある。人間のスタッフがほとんどおらず、ほぼ全ての判定をAIが行っているのだ。
そして、このAIが恐ろしいほど無能である。
実際に起きた誤判定の数々
ケース1:自作オリジナル曲の別テイクが権利侵害扱い
最も深刻な問題がこれだ。同じアーティストが制作した同じ楽曲の別バージョンやテイク違いをアルバムに収録すると、AIが「他人の曲の権利侵害」と判定してくる。
届くメッセージは以下のようなものだ:
- 「権利侵害を確認しました」
- 「異常な行為です」
- 「繰り返すとBANします」
- 「法的書類を提出してください」
- 「不正なサンプル曲やリミックスを確認しました」
自分の曲なのに、自分が権利侵害者扱いされる。完全に理不尽だ。
ケース2:GPT生成のオリジナル画像が違法コピー扱い
カバー画像についても同様の問題が発生する。ChatGPTで生成した完全オリジナルの画像を使用したところ、「違法」「無許可のコピー」と判定された。
誰のコピーなのか?誰も答えてくれない。なぜなら相手はAIだからだ。
AIの判定ロジックの致命的欠陥
これらの誤判定から見えてくるのは、AIの判定基準の粗雑さだ。
音響的類似性だけで判断している
サウンドオンのAIは、楽曲の音響的な類似性だけを見て「コピー」「権利侵害」と判断している可能性が高い。
同じアーティストの別テイクは当然似ている。しかし、それは権利侵害ではない。同一人物が制作した別バージョンだ。
人間なら一瞬で判断できることを、AIは理解できない。
視覚的類似性だけで画像を判定
画像についても同様だ。AIは視覚的な類似性だけを見て「コピー」と判断している。
しかし、類似したデザインやスタイルは無数に存在する。それらを全て「違法コピー」扱いするのは暴力的だ。
回避策を見つけた結果、さらに問題が明らかに
ここで興味深い実験を行った。誤判定された楽曲について、以下の対応を試みたのだ:
- 音源を無関係なものに差し替える
- タイトルやメタデータを変更する
- 再提出する
結果:審査を通過した。
つまり、サウンドオンのAIは:
- 楽曲の実際の内容を精査していない
- メタデータの表面的な情報だけで判断している
- 音源とメタデータの整合性をチェックしていない
完全にザルなシステムである。
人間のレビュー体制が存在しない
さらに深刻なのは、誤判定に対する異議申し立てが機能しないことだ。
サウンドオンには、人間による再審査のプロセスがほとんど存在しない。AIが判定を下したら、それが最終決定になる。
ユーザーは以下の選択肢しかない:
- AIの誤判定を受け入れる
- 回避策を使って再提出する
- 諦めてアカウントを捨てる
正当な異議申し立てができない。これは大きな問題だ。
ハルシネーションで人を脅迫するAI
AIのハルシネーション(誤った情報の生成)は有名だが、サウンドオンのAIはそれが致命的だ。
存在しない権利侵害を「確認した」と主張し、ユーザーを脅迫する。そして、その誤った判定に従ったユーザーを、さらに追い詰める。
GPTのハルシネーションよりも100倍悪質だと言える。なぜなら:
- 権威的な立場から脅迫してくる
- ユーザーに責任を押し付ける
- 繰り返すとBANという実害がある
- 誤りを認めるプロセスがない
TikTokも同じ病気に罹っている
実は、この問題はサウンドオンだけではない。親会社のTikTokでも同様の問題が発生している。
日本語の無難な会話や挨拶を「下品なスラング」と誤判定し、アカウントをブロックする被害が報告されている。
バイトダンス全体のAIモデレーションシステムが、深刻な欠陥を抱えているのだ。
なぜ日本語で誤判定が多いのか
推測される原因:
- 中国語ベースのモデルを無理やり多言語対応させている
- 日本語のニュアンスや文脈を理解できていない
- 同音異義語や文化的表現を誤解している
- 日本語ネイティブによる監修が不足している
つまり、バイトダンスは日本市場を本気で取る気がないのかもしれない。
なぜこんなシステムが放置されているのか
答えは簡単だ。コスト削減である。
バイトダンスは、人間のモデレーターを雇うコストを削減し、AIに全てを任せている。その結果:
- 誤判定が多発する
- ユーザー体験が悪化する
- クリエイターが離れる
- プラットフォームの信頼性が崩壊する
しかし、バイトダンスにとって、個々のクリエイターは使い捨て可能な存在なのだろう。
クリエイターはどう対応すべきか
この状況で、真面目に対応するのは時間の無駄だ。相手は人間ではなく、欠陥だらけのAIなのだから。
推奨される戦略
- 複数プラットフォームでリスク分散
- サウンドオン一本に頼らない
- ROUTE noteなど他のサービスも併用
- BANされても困らない体制を作る
- サウンドオンは使い捨て前提で利用
- 無料の宣伝チャネルとして割り切る
- 収益は期待しない
- BANされたら次のアカウントを作る
- AIの判定パターンを逆利用
- メタデータ変更で誤判定を回避
- 音源の微調整で再提出
- システムの穴を突いて搾取する
- 真面目に戦わない
- 異議申し立ては時間の無駄
- AIに理屈は通じない
- エネルギーを別のことに使う
バイトダンスのAIが抱える根本問題
サウンドオンやTikTokの問題は、AI技術そのものの問題ではない。AIの使い方の問題だ。
問題点の整理
- AI過信:AIが万能だと思い込んでいる
- 人的リソース削減:人間による監修を怠っている
- 言語最適化の欠如:多言語対応が杜撰
- 異議申し立てシステムの不在:誤判定を訂正できない
- ユーザー軽視:クリエイターをコストとしか見ていない
これらの問題を解決しない限り、バイトダンスのプラットフォームは信頼を失い続けるだろう。
結論:搾取される側から搾取する側へ
サウンドオンのAIシステムは、クリエイターを守るどころか、攻撃している。
しかし、このシステムには穴だらけだ。真面目に対応する必要はない。
相手が人間ではないなら、こちらが搾取すればいい。
- 無料で宣伝インフラを利用する
- BANされる前提で使い倒す
- 複数アカウントで保険をかける
- 他のプラットフォームで収益化する
バイトダンスは「AIで人件費削減して利益最大化」を狙っている。しかし、その結果生まれたのは、クリエイターに搾取される脆弱なシステムだ。
皮肉な話だが、これが現実である。
最後に
この記事を読んで「まさかそこまで酷くない」と思う人もいるだろう。
しかし、実際に被害に遭った人なら分かるはずだ。サウンドオンのAIは本当にこれほど無能であり、悪質なのだと。
もしあなたがサウンドオンで誤判定を受けたなら、それはあなたのせいではない。AIのせいだ。
真面目に対応せず、システムの穴を突いて、使えるものは使い倒そう。
それが、この欠陥システムに対する最も賢い付き合い方だ。

コメント